アフリカの国のひとつとして
日本人がよく聞く国が「ケニア」。
その首都ナイロビがネットの情報だと「世界三大凶悪都市」と呼ばれている。
アフリカに旅行へ行ってみたい!ケニアに訪れてみたい!
そう思っても凶悪都市などと聞いたら、躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
2024年の世界一周中に実際にケニアのナイロビを訪れてみて気づいたことと、
安全に観光するための防犯対策についてまとめる。
今回この記事を書いている私は、
こちらも合わせてどうぞ。

「世界三大凶悪都市」は正式な定義なし
結論、ナイロビが「世界三大凶悪都市」と呼ばれている、というのは事実ではない。
「世界三大〇〇都市」って言葉、実はメディアやネット上の俗説が多くて、国際的に決まってるわけじゃない。
だから、「世界三大凶悪都市」って言い方も、誰かが言い出した表現に過ぎない。
よく出てくるのは以下のような都市:
- カラカス(ベネズエラ)
- サンペドロスーラ(ホンジュラス)
- サルバドールやティフアナ(メキシコ)
※いずれも一時期、殺人発生率が世界トップクラスだった
でも火のないところには煙が立たないと言われているように
「世界三大凶悪都市」と呼ばれる俗説が出てきたのには必ず理由がある。
「世界三大凶悪都市」と呼ばれる理由
ネット上でケニアのナイロビが「危ない場所」と言われるきっかけとなっているのはおそらく以下のことが原因。
1. アフリカ最大級のスラム(キベラスラム)がある

キベラスラムとは数十万人が住む過密地域で、インフラはほぼ整っていない。
失業や極度の貧困が広がっており、犯罪の温床となっている。
観光客がこの街を歩くと100%犯罪に遭うと言われており、現地の方からは
「絶対に一人で行くな。行くならスラム出身の方に案内してもらえ」と言われるほど。
ちなみにナイロビの街にあるホテルやホステルには
このキベラスラムを見学するツアーなどが組まれており、
半日で5000円くらいで案内してもらえる。
2. 凶悪犯罪の報告多数

ナイロビでは毎日のように犯罪事例が報告され、実際に日本人が被害に遭うことも多い。
以下は外務省が発表している犯罪事例。(外務省HPから引用)
2 日本人の被害例
(1)2013年7月、モンバサ郡で日中に日本人男性が銀行で現金を引き出した後、職場に帰る途中、尾行してきたと思われる犯行グループの襲撃に遭い、銃撃を受け殺害されました。
(2)2017年1月、多くの日本人が利用するショッピングモール「ヤヤセンター」付近を徒歩で移動中の日本人男性が、何者かに背後から襲撃され前後不覚のまま車で郊外に連れ去られた後、所持荷物やスマートフォン、現金等を強奪される事件が発生しました。
(3)2020年7月、ナイロビ市内で日本人男性がスキミング(クレジットカードなどの磁気情報(個人情報)を盗み取る行為)被害を受け、ATMで不正に現金を引き出される事件が発生しました。
(4)2021年7月、ナイロビ市内で日本人男性が徒歩移動中、2人の男に拳銃を突き付けられ、財布、パスポート等が入ったカバンを強奪されました。
(5)2022年、ナイロビ市内で日本人が商談のため取引相手の家に滞在していたところ、現金を持ち逃げされました。滞在していた家については、短期のサービスアパートメントであったことが後ほど判明しました。
(6)2023年、携帯電話での電子マネー決済サービスM-pesaを悪用し、言葉巧みに日本人被害者の残高を犯人の口座に送金させる手口の事件が発生しました。
とんでもないですよね…。
もちろん日本でも犯罪は起こっているんですけど、日本とケニアの犯罪の違いは
「拳銃が使われていること」
ナイフより数十倍危ないものが使われているんですよね…。
そのくらい危険なので、宿の周りは堀で囲われていて、扉も頑丈な鉄格子が使われている(写真上)
また警察官の汚職と権力の乱用も頻繁に発生していて
よく私が世界一周中に出会った旅人から聞いた話では、
陸路国境越えの時に不当に入国を拒否され、「お金を支払えば見逃す」とか
現地の人の倍近いお金をふっかけられるとか。
そんなこともあり、「世界三大凶悪都市」なんて呼ばれてしまうんですね…。
実際のケニア・ナイロビのリアル

実際にナイロビを歩いた経験としては、
- 昼間は人通りの多い通りを選べば大丈夫
- 夜の外出は絶対NG
- スラムエリアには近づかない
- 移動はなるべくタクシー
という、基本的な安全対策を取れば普通に観光できる都市って印象だった。
すれ違っても何もされないし、皆さん自分のやるべきことに集中している感じ。
ただどうしても黒人達の中にひとりアジア人がいるので、視線を感じることは何回かありました。
日本でも黒人の方が目立つのと同じ現象ですね。
一方で、地区によっては昼間でも危険と言われるエリアがあり、その近くまで行くと、用もないのにただ立って睨んでくる人が多数。
さらに警察官や銃を持った軍隊の方のような人も歩いていて、ピリピリした空気でした。

ただ、陽気な方も多く
レストランの屋外で料理をしていたスタッフの方と仲良くなり一緒に写真を撮ることも!
基本的な安全対策をしつつ、現地の方が行くなというところには近づかない。
でもローカルレストラン等、現地ならではの交流には遠慮しない、というのが一番良い形なのではないでしょうか。
結論
ナイロビは「世界三大凶悪都市」とネットで言われていたとしても、観光客が気をつけて行動すれば、安全に楽しめる場所。ただし、油断だけは禁物って感じだね!