「年越しを海外で迎えるって、なんかカッコいいよね」
そんな淡い憧れを胸に、世界一周中だった自分はロンドンで人生初の海外年越しを迎えた。
場所はイギリス・ロンドン
年明けには南米へ渡る予定だったので、便数が多くアクセスの良いロンドンを出発地点に選んだのが正直な理由。
もちろん「ヨーロッパの中心地での年越しって、どんな感じなんだろう?」という純粋な興味もあった。
実は大学時代にも一度ロンドンに観光で訪れたことがあったけど、今回は完全に“年越し”を目的に滞在。
宿泊したのは「Clink261」というバックパッカー御用達のホステル。
ドミトリーで1泊6500円、キッチンも洗濯機もあって設備は文句なし。
けど、このホステルに戻る頃には、自分はちょっと情緒が壊れかけていた。
ロンドン年越しのリアル

年越しのメイン会場はロンドンアイ周辺。
ビッグベンのすぐそばで打ち上がるカウントダウン花火を、橋の上から眺めるのが定番らしい。
ただ、近くのエリアは全部有料席。
チケットを持ってないと中には入れない。
予約してない?じゃあお引き取りください、ってくらいの厳戒体制で、警察や警備員がずらりと並んでる。
詳しい情報やチケット予約は、こちらのロンドン公式サイトを見てもらうのがベスト。
クルーズで鑑賞した方はこちら
当日の2025年の公式花火イベント情報とチケット価格帯の詳細はこちら
「いやでも、どっか穴場くらいあるっしょ」と甘く見てた自分は、地元民の間で“無料観覧スポット”として知られているランビス橋(Lambeth Bridge)に向かった。
ここなら橋の上から無料で花火が見られるって噂。だけど油断してはいけない。
3時間前にはもう橋にすら近づけないと聞いて、自分は17時の時点で橋に向かってスタンバイ。寒さに震えながら、ひたすら待つこと約5時間。

その間に学んだことは3つ。
①トイレは事前に必ず済ませる
②カフェインは絶対に摂らない(尿意が地獄)
③着れる服は全部着ていけ(冬のロンドン、甘く見るとマジで凍る)
ぶっちゃけ、寒さと尿意との戦いがメインイベントだった。

しかも待ってる間に人がどんどん集まってきて、後ろのやつがギュウギュウ押してくるわ、酒の匂い漂わせながら騒いでる人もちらほら。
世界中から人が集まってきてるはずなのに、まるで秩序がない。民度が…なんというか…うん、期待はしちゃいけない。
ようやく年越しの瞬間。
カウントダウンと同時に花火が打ち上がった。

ロンドンの夜空を彩る花火――なんて幻想的に聞こえるけど、ぶっちゃけ角度が悪くて見づらいし、日本の花火大会の方が遥かにすごい。
長岡とか大曲の花火を見た自分からすると、「え、これで終わり…?」っていうレベルだった。
職人技の花火で日本より右に出る国はないですね…。
花火が終わった後も最悪。
ランビス橋にはゴミが散乱し、ビール缶やペットボトルが転がり、道には酔っ払いがゴロゴロ。
完全にカオス。
気づいたら一人で無言のまま人混みに逆らって歩いてた。
なんかこう、年が明けた感動よりも、“虚しさ”がじわじわ込み上げてきた。
たぶん、一人だったから余計にそう感じたんだと思う。
周りは恋人同士とか家族連れとか、友達グループとかで盛り上がってる中で、自分は完全に「旅人の孤独」を味わってた。
結論:年越しは一人でやるもんじゃない。
そしてもっと言うと、「年越しこそ、誰と過ごすかがすべて」
どんな絶景よりも、どんな有名スポットよりも、大切な人と一年を振り返って笑い合える時間の方が、よっぽど価値がある。
この“ロンドン年越し”という微妙な体験を通して、自分が一番感じたのはそのことだった。
憧れで始めた「海外で年を越す」という体験は、思いがけず“当たり前の大切さ”を教えてくれた。
旅の途中で気づけたのは、ある意味ラッキーだったのかもしれない。